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株のほんとうのしくみ|割安株を見つける企業価値の見方

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「個別株で損してばかり…もしかして自分、センスないのかも」と思っていませんか?

個別株に挑戦してみたものの、なぜか思うように利益が出ない——そんな経験はありませんか?

「なんとなく話題の銘柄を買ったら下がった」「決算がよかったのに株価が下がった」「ニュースを見て買ったら高値掴みだった」こういった失敗を繰り返すと、「自分は投資に向いていないのかも」と思い始めてしまいます。

私自身も30代前半、個別株に手を出してまったく同じ経験をしました。上がる理由も下がる理由も感覚でしか判断できず、気づけばインデックス投資に完全移行するまでの間に数十万円の授業料を払っていました。

ただ、あとから振り返ると、失敗の原因は「センスのなさ」ではなく「株のしくみを正しく理解していなかったこと」でした。

今回紹介するのは、山口揚平氏の著書『知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ』です。株式投資の本質——なぜ株価が動くのか、どうすれば割安株を見つけられるのか——を論理的かつわかりやすく解説した一冊です。

問題の本質:「株価が動く理由」を知らないまま投資するからギャンブルになる

株式投資で結果が出ない人の多くは、株を「価格が上下するもの」として捉えています。しかし本来、株は「企業の価値の一部を所有する権利」です。

株価は短期的には需給や感情に動かされますが、長期的には必ず企業の本質的な価値(内在価値)に収束していきます。これが株式投資の根本的なしくみです。

「なぜ今この株を買うのか」を企業価値に基づいて説明できないうちは、投資ではなく投機です。

インデックス投資で着実に資産形成を進めながらも、個別株の本質を理解しておくことはFIRE達成に向けた「投資リテラシー」として非常に重要です。企業価値の見方を知ることで、相場の波に動じない長期投資の土台ができます。

個別株で失敗する3つの原因

原因① 企業価値を計算したことがない

ほとんどの個人投資家は、株を買う前に「この企業の適正な株価はいくらか」を計算していません。「なんとなく割安そう」「PERが低い」という断片的な情報で判断してしまいます。

企業の価値は「稼ぐ力(事業価値)」と「持っている財産(財産価値)」で成り立っています。この2つを数字で見積もらないうちは、割安かどうかの判断ができません。「感覚」で買うから、上がっても下がっても理由がわからないのです。

原因② 株価が上がるきっかけを知らない

「業績がよければ株価が上がる」——これは半分正解ですが、半分は間違いです。業績が良くても「市場が既に織り込んでいる」場合は株価が動かず、むしろ「材料出尽くし」で下がることすらあります。

株価が上がるには「増配・自社株買い・IRの充実・新製品発表・株式分割」など、具体的なカタリスト(きっかけ)が必要です。このカタリストを知らずに株を持ち続けることが「いつ上がるかわからない」という不安を生みます。

原因③ 下落時に感情で動いてしまう

株価が10〜20%下落すると、多くの人は「さらに下がるのでは」という恐怖から売ってしまいます。一方で急騰相場では「乗り遅れたくない」という焦りから高値で買ってしまいます。

私自身も2020年のコロナショックの際、保有銘柄が大きく下落して「これ以上持てない」という恐怖に駆られた経験があります。感情に従って動いた結果、底値近くで売り、その後の回復を指をくわえて見ることになりました。

解決方法:「企業価値」で株を見る目を養う

株式投資がもっとも効率よくお金を増やせる理由

手元の資金を増やす方法はさまざまありますが、会社員にとって株式投資が最も効率的な理由は明確です。

方法期待リターン主なリスク・デメリット
パチンコ・競馬・宝くじマイナス(期待値<1)確率的に必ず損する
定期預金年0.001〜0.1%程度インフレに負ける
外貨預金為替次第往復約2%の手数料コスト
株式投資(インデックス)年5〜7%(長期平均)短期変動リスクあり
個別株(割安株投資)市場平均超えを狙える企業分析の手間

低コストで情報収集しやすく、1万円程度から始められる株式投資は会社員の資産形成手段として最も現実的な選択肢です。

企業価値の算定方法——シンプルな4ステップ

山口揚平氏が本書で紹介する企業価値算定の方法は、財務諸表を完璧に読めなくても実践できるシンプルなものです。

  • 事業価値を見積もる:営業利益 × 10倍
  • 財産価値を見積もる:流動資産 − (流動負債 × 1.2 + 固定資産のうちの「投資その他資産」)
  • 負債を引く:事業価値 + 財産価値 − 有利子負債
  • 発行済み株式数で割る:1株あたりの理論価値を算出

この計算で出た「1株あたりの理論価値」と実際の株価を比較します。理論価値 > 現在の株価 であれば「割安」、理論価値 < 現在の株価 であれば「割高」と判断できます。

この数式はあくまで目安ですが、「感覚」ではなく「数字」で株の割安・割高を判断できるようになるだけで投資の質は大きく変わります。

株価が上がる5つのきっかけ

割安株を見つけたとしても、株価が上がるきっかけ(カタリスト)がなければ価値は長期間放置されます。本書では以下のカタリストが紹介されています。

カタリストしくみ
増配配当が増えると市場が評価して買いが入る
自社株買い流通株数が減り、1株あたりの利益が増えて株価が上昇
IR活動の充実企業情報の開示が増えると投資家から評価され買いが集まる
新製品・新事業将来の成長期待から買いが入る
株式分割・単元引き下げ買いやすくなることで個人投資家の参入が増える

「割安な企業を見つけ、カタリストが発動するまで待つ」——これが個別株投資の基本的な考え方です。過信せず、価値と価格の差を淡々と判断することが長期投資で勝つ秘訣です。

感情の罠を避ける

本書でも強調されていますが、投資の最大の敵は「感情」です。

割安だと判断して買った株が下落したとき、「なぜ下がっているのか」を企業価値から説明できれば冷静に保有を続けられます。一方で根拠のない感覚で買っていると、少しの下落でパニックになり底値で売ってしまいます。

「なぜこの株を持っているのか」を数字で説明できることが、感情に流されない投資メンタルの基礎になります。

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今日からできる3つのアクション

  • 気になる企業1社の有価証券報告書(IR情報)を開いてみる:SBI証券・楽天証券の銘柄ページから「IR・業績」タブで確認できます。まず「営業利益」「流動資産」「流動負債」の3つだけ書き出してみましょう
  • 本書の企業価値算定式に数字を当てはめて1株の理論価値を計算する:計算結果を現在の株価と比較するだけで「割安か割高か」の感覚が身につきます。最初は誤差があっても構いません。数字で見る習慣をつけることが目的です
  • 保有株(または購入候補株)の「カタリスト」を1つ書き出す:「次の決算で増配が期待できる」「新製品発表が控えている」など、株価上昇のきっかけを具体的に言語化できれば、感情ではなく根拠で判断できるようになります

まずは1社だけ試してみてください。完璧な計算は不要です。「企業価値を数字で考える習慣」を持つだけで、投資の見え方が大きく変わります。

株価の読み方をあわせて学びたい方はこちらも参考にしてください。

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まとめ:株はしくみを理解してから始めると、別のものに見えてくる

『知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ』から学べるポイントをまとめます。

  • 株式投資は会社員にとって最も効率よくお金を増やせる手段
  • 株価は長期的には企業の本質的な価値(内在価値)に収束する
  • 企業価値は「事業価値+財産価値」のシンプルな計算で見積もれる
  • 株価上昇には増配・自社株買い・IR・新製品などのカタリストが必要
  • 感情に左右されないためには「なぜこの株を持つか」を数字で説明できることが大切

私自身、この本を読んでから個別株への向き合い方が変わりました。今はインデックス投資をメインにしていますが、「企業価値を数字で考える」という習慣は、相場が荒れたときに冷静でいられる精神的な土台になっています。

投資で大切なのは「株価の動きを当てること」ではなく「本質的な価値を理解して、価格とのズレを狙うこと」です。この一冊はその出発点として最適な本です。

個別株の考え方をさらに深めたい方は、同じサラリーマン投資家の実践録もぜひ読んでみてください。

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他のおすすめ投資本はこちらにまとめています。

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