【要約】いま君に伝えたいお金の話
誰もがお金を増やしたいと思いますよね?
でもお金って何かということを考えることは少ないのではないでしょうか?
今回の記事では村上世彰さんのいま君に伝えたいお金の話という本の内容をご紹介します。
村上さんは村上ファンドで有名な投資家の方です。
ニッポン放送の買収事件で一躍有名になりましたが実際に投資で成功されている方で生涯投資家という本も出されています。
こちらも非常に面白い内容でした。
それでは実際に書籍の内容について紹介していきます。
書籍概要
- いま君に伝えたいお金の話
- 著者 村上世彰
- 単行本 190ページ
- 出版社: 幻冬舎 (2018/9/6)
お金とは
まずお金とはと問われた時、あなたはどう感じられますか?
村上さんはお金は便利な「道具」であるといっています。
具体的にどういった意味かというとお金には
- 「何かと交換できる」
- 「価値をはかることができる」
- 「貯めることができる」
という3つ機能があるものということです。
道具であるがゆえにお金そのものは、悪いものでもいいものでもないということ。
お金の印象は各自で勝手に決めていることから起こります。
お金についての4つの大切なこと
そんなお金について、覚えておきたい4つの使い方が本書には書かれています。
- 自立するため
- したいことをするため
- 困ったときの防波堤にするため
- 人のために使うため
自立するため
1つ目は、「自立して生きていくためには、お金は絶対に必要である」ということです。
これはなんとなくイメージできますよね。
部屋を借りる、食料を買う、携帯電話料金を払うなどの日々の暮らしには自分で稼いだお金が必要です。
お金が足りなければ、誰かに頼って生きるしかなくなってしまいます。
自由な生活のためにも、衣食住をまかなえるだけのお金は必要となります。
したいことをするため
2つ目は、「やりたいことをやるには、余分なお金があったほうがいい」ということです。
これはお金があれば選択肢が広がり、やりたいことができるようになるということです。
日々の暮らしに必要な最低限のお金に加えて友だちと遊びに行く、コンサートに行く、欲しいものを買うお金があれば、気持ち的にも楽になるのは想像できますよね。
困ったときの防波堤とするため
3つ目は、「困ったときに、お金は君を助けてくれる」ということです。
余分なお金を少しずつでもためておくことで、不慮の事故や急に会社で働けなくなった場合貯金があれば一時的にしのぐことができます。
歳を重ねると突然の出費は増えてきます。
投資においても生活防衛資金を確保しておくことで生活に不安なことを感じられなくなったり、生活の質を落とさなくてもよくなります。
人のために使うため
4つ目は、「あなたがお金を持っていれば、人を助けることができる」ということです。
これは素敵なお金の使い方ですよね。
具体的にはプレゼントをしたりお礼をしたりといったような内容です。
自分の幸せのために上手にお金を使えるようになったら、次のステップとして、社会や人のために使うと良いと思います。
上手にお金を使えるようになった後、人のためにお金を使うことが、実は一番幸せなことであると村上さんは言っています。
お金の使い方
貯蓄するだけではなく、うまく世の中に回していくことがお金を活かす秘訣です。
お金は貯めて増やすだけでは効果的にお金が働いていないですよね。
増やしたお金を、社会を良くするため、人のために使ってこそ、真の幸せが得られる。
お金は、道具であると同時に、社会の血液のような働きをしています。
血液が不足したり、うまくめぐらなくなったりすると、体の具合が悪くなるのと同じように社会の血液であるお金の動きが悪いと、社会も健康ではなくなってしまいます。
お金を稼ぐ ⇒ 貯める ⇒ 社会にめぐらせる ⇒価値を増やす
こういったサイクルで社会は成長していっています。
現在の日本社会の調子が今ひとつ悪い原因は、お金を使うことより、貯め込むほうを優先しているからだと村上さんは言っています。
企業が保有している資金は多くあるのに、国で使えるお金が十分ではなくなり、国債という形で借金をして足りない分を補っているといういびつな形態となってしまっているのが日本の現状です。
お金に支配されないために必要なこと(幸せの基準を持つ)
お金のことをよく知らないまま大人になると、お金の魔力に支配されてしまう可能性があります。
こんな内容に心あたりはないでしょうか?
- お金を持っている人の方が偉く見える
- 値段の高いもののほうがよく見える
- 給料の高い仕事のほうがすごいと思う。
思いあたるふしがあるなら、それはお金の魔力に惑わされている兆候です。
判断の方法としてはモノの本質を見ずに「値段」だけで価値を判断してしまうのではなく、お金とは違う基準を自分の中で作ることが重要となります。
お金以外の「ものさし」が自分の中にあれば、お金の魔力に惑わされにくくなります。
その「ものさし」というのは、自分なりの「幸せ」の基準です。
まずは自分がどういった時に幸せを感じるのか?
お金がいっぱいあっても幸せじゃない人もいるし、その逆の人もいたりするので幸せの基準を自分の中にもっておくことが重要です。
お金を稼ぐ値段と幸せの関係
ある年のサンマはやせっぽちでおいしくなかったのに、いつもの年よりずっと値段が高かったということがあったりしませんか?
このような現象が起こる直接的な理由は、サンマのとれる量が少ないことで価格が上がるという 需要と供給の関係です。
モノの値段は需要と供給の関係で決まります。
- 需要とは、サンマを買いたい人がどれくらいいるか
- 供給とは、サンマがどのくらい売られているか
需要に対して供給される数が少ないため、あるモノの価値が高くなっていることを希少価値と言います。
商品の値段は、供給が需要に追いつけないと上がり、供給が多いと下がる。
モノの値段は必ずしも、質の高さだけで決まるのではなく質が悪くても、数が少なければ、モノの値段は高くなってしまいます。
お金を払って何かを買うという行為は、お金とモノやサービスとの物々交換しているということ
何かを手にするために、何時間分の働きと交換されているか、それに見合う幸せをもたらしてくれるのかをよく考えて使いたいですよね。
もしそれが、幸せをもたらさないお金の使い道であったとしたら、無駄遣いということになります。
限られたお金を、より多く自分の幸せのために回すためには、無駄遣いをいかに減らせるかということがポイントとなります。
君がお金を手にする方法
作家の村上龍さんが書いた『13歳のハローワーク』という本には、この世の中には2種類の大人がいると書かれています。
自分の好きな仕事や自分に向いている仕事で生活の糧を得ている人と、そうではない人の2種類なのだといわれています。
自分の好きや適性や才能を知る重要な武器は、好奇心です。
大好きなことを仕事にするために、それが人の役に立つのかどうかという視点で考えると良いと村上さんは言っています。
好きな仕事をして、誰かがその仕事に価値を見出すからこそ、お金を稼ぐことができます。
好きなことができるなら、お金が稼げなくてもいいと簡単に言う人がいるが、本当に覚悟ができていますか?
漠然とした気持ちでその道に進むと、日々の生活さえままならずお金に追われ、むしろお金に縛られて生きることにもなりかねません。
日々の生活費を稼ぐために仕事を選んでしまうということです。
したがって、夢を実現しようとするなら、お金にも強くなっておかねばやりたいこともできなくなってしまうということです。。
働き方の変化
現在、日本で働く人の約9割が、会社などに属し、毎月安定した給料をもらっています。
皆さんも実際にそうですよね。
しかしながら近年ではインターネットの発展によって、働き方が大きく変わりつつあります。
誰もがSNSで情報発信でき、情報収集もしやすく、その場にいなくても働ける環境が整ってきています。
私も近年この傾向が強くなってきているのを感じています。
ユーチューバーのように個人VS世界という働き方ができるようになりつつある社会ではお金に強くなっておく方がやはり有利となります。
これからは大きな成果を上げられる人は高い給料に、そうでなければ給料が減り、クビになることもある。
年功序列の日本では今まで考えることが少なかったですが今後はこういった傾向はますます大きくなりそうです。
一方で起業家という考え方もあります。
起業とは、これまで存在しなかった新しいサービスやビジネスモデルを創り、その事業に取り組むことです。
難しそうですが有名な企業家のアップルのスティーブ・ジョブズ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも初めにしたことはパソコンの制作や、大学内の学生向け情報共有サイトでしたが今や誰もが知る世界有数の大会社になっています。
日本では年間12~13万社が生まれるが、投資家から資金を調達できる会社は年1000社程度しかありません。
起業家になれば大きな成功を収めることは簡単ではありませんが、ジョブズやザッカーバーグのようになれる可能性はあるということです。
稼いだお金を貯めて増やす
どうすればお金を増やせるでしょうか?
ビジネスにしろ投資にしろお金を増やすことができる原資となるのはお金です。
ということなので元本となるお金をまず貯める必要があります。
稼いだお金 7割を生活費
1割を趣味や娯楽
2割を貯金
お金を増やす基本ルールは、お金を「回す=めぐらせる」こと。
つまり、お金を「流れ」に乗せるということです。
山の頂上のせせらぎが海の手前では大きな川になっているように、お金はうまく流れていけば自然と増えていくと村上さんは言っています。
お金を増やすためには、貯蓄だけではなく、投資することが大切です。
リスクとリターンを双方考慮して、自分に合った配分で投資をする。
村上さんは投資をする際には「期待値」という考え方を重視してきたといっています。
お金を借りる
お金が貯まっていなくても「借りて使う」という選択肢もあります。
しかし、深く考えずにお金を借りることがいかに怖いか、ちゃんと理解していない人が多くいるということです。
住宅ローンもそうですが皆がやっているからという理由で深く考えない傾向はあるかと思います。
借金は借りるときは楽ですが、もちろん返さなければいけません。
返せるペースによって利子が付き、返済する金額が増え、返済が滞れば延滞金も発生してしまいます。
最終的に、借りた金額よりもずいぶん多い金額を返さないといけないケースもあります。
もし想定外の事態が起きて返せなくなった場合は自分が破産するだけでなく、自分の親など連帯保証人になった人まで巻き込んでしまい迷惑をかけてしまう可能性もあります。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです。
お金とは
お金とは便利な道具であり以下の機能がある
- 「何かと交換できる」
- 「価値をはかることができる」
- 「貯めることができる」
お金についての4つの大切なこと
- 自立するため
- したいことをするため
- 困ったときの防波堤にするため
- 人のために使うため
お金に支配されないために必要なこと
価格ではなく価値で判断する。判断基準は自分が幸せを感じるかどうか。
君がお金を手にする方法
好きなことをしてお金を稼ぐにもお金に強くなっておかなければならない
働き方の変化
近年では会社で働くという以外の働き方が増えている
従来の働き方以外の方法も検討の余地がある
稼いだお金を貯めて増やす
お金を増やす原資はお金。お金を増やすためには稼いだお金から投資へ流れに乗せる必要がある
お金を借りる
お金を借りる際には他人を巻き込んでしまう可能性があるのでよく考える必要がある。
書籍の内容はぜひ知っておきたい内容となっており、学生の方や自分の子供にも読ませたい内容となっています。
お金に対する知識を持っておくことで幸せになることにも繋がりますし、絶対的に有利になると思います。
気になった方はぜひ読んでみて下さい。
その他、投資やお金についての書籍についてもまとめています。
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